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泳ぎ続けないと死ぬ魚

10月24日
読了時間: 4分






大学時代、岩手の大学に通っていた。

週2回、テレビ局でカメラマンアシスタントのアルバイトをしていた。雪山、スポーツ会場、文化施設、牧場、火事現場、、岩手県内のあちこち取材に同行した。10キロ近くの機材を運ぶ仕事は女子には重労働だった。だけど私は動き回ることがとにかく好きだ。いいストレス発散になった。


「美穂子は泳ぎ続けないと死んじゃう魚みたいだね」

ある日、友人にそう言われた。バイトを掛け持ちしたり、週末にはひとりで温泉街まで出かけたり、サークル体験をハシゴしたり。

「ねえ今度、屋久島に行かない?」と誘ってみたら、「え?本気で言ってる?」「美穂子のペースには誰も合わせられないよ」と笑っていた。


マグロやカツオは生まれた瞬間から泳ぎ続けないと酸素を取り込めずに死ぬらしい。友人には、いつも動き続けている私がマグロに見えたようだ(だれがマグロや!)



大学2年生のときに、宮城県仙台市に高速バスで行ってみた。


盛岡から片道3時間、2500円で行ける。自然豊かな道を走りながら、少しずつ杜の都に近づく時間が好きだった。盛岡では出会えない洗練されたお店がたくさんあった。そこからどハマりして、高速バスを30回は利用した。


それだけでは飽き足らず、陣地を広げた。夜行バスを利用して東京へ行った。ディズニーランドデビューをしたら、これも見事にどハマりした。在学中に10回以上は行ったかな。


アルバイトのお給料はすっからかん。親からの仕送りにも手を出した。「なんでこんなにお金がかかるの?」「この前入れたばかりの仕送りがもう引き出されている」と叱られた。世界を広げたい。美しいものを味わい。その衝動だけで動き続けていた。




陰陽五行に出会ったとき「まさに、わたしは水の人だ」と思った。




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水の性質を持つ人は、ひとつの場所に留まることが難しい。

常に流れ続けて、留まることはない。流れを止められるとあっという間に濁ってしまう。

美空ひばりの「川の流れのように」をよく口ずさんでいた。これは水の人のために作られた歌に違いない。


他にも、生年月日から導く命式には「思い立ったら即行動」を表す星が複数配置されている。どれだけ動き回っても動き足りない。きつい、もうダメだと思うときほど生きている感覚が湧き上がるのだ。


一方で、ひとつのことにハマるとずーっとやり続ける一面もある。ディズニーランドに1度行けば、また行きたくなる。「ウエスタンランドは攻略したから、次はトゥモローランドを開拓するかな」といった感じ。飽きるまで凝り性なのだ。



私はずっと、こんな自分を責めていた。

誰かのペースに合わせることができない。みんなはのんびり学食で語らうのが好きなのに、その場を離れてひとりでぱぱぱーっと行動をする。単独行動が増えるといつのまにか孤立する。お金も減る。行動した分だけ失敗のリスクも増える(東京で夜行バスを乗り逃して、家に帰れなかった)それでも動き続けないとモヤモヤして爆発する。




陰陽五行で生まれ持った性質をみていくと、そのひとつひとつに説明がついた。「そっか、そうだよね」と納得ができた。納得できると、自分を赦せた。責めるのではなく、だって生まれ持ったものだもん!と開き直れた。


私はずっと自分を説得できるものを探していた。



住む家も、名前も、通う学校も自分で決めることはできない。

だけど唯一、生年月日だけは親が決めてしまう前に自分で決めてくる(帝王切開は別だけどこの話はまたいつか)


どうしてこの性質を備えたんだろう?と思いを巡らせる。

「王様になれる星」も「お金に恵まれる星」もなぜ初期設定にしてくれなかったのか。なぜわざわざ回遊魚を選んだのか。


そうすると少しだけ見える気がするのだ。この人生で私がしたかったこと。


「だってそのほうが、絶対おもしろいじゃん!」


生まれる前の私は、お金よりも名誉よりも「動きまくること」に価値があったのだろう。回遊魚のようにこの人生を泳ぎ続たいのだろうな。


そう思うと「わかったよ、とことん付き合うよ」自分を生きることに覚悟が定まる。




あなたの性質は、なぜその設定にしたのだろうね。

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